脇本陣奥谷 案内人のブログ

「夏草」も...

2013年8月22日 木曜日

「夏草」も...

勢い良く茂る夏草さえも、萎れてしまいそうな炎天。まさに油照りといった陽気です。妻籠では八日にまとまった雨が降ってから、夕立もありません...『夜明け前』の冒頭で、馬籠の人々が"雨乞い"をするシーンが出てきますが、その切実な思いに共感する今日この頃です。

 

『夏草』というのは、藤村が姉の嫁ぎ先である木曽福島の高瀬家でまとめたものですが、その中の文章を読むと涼しげな木曽の夏景色が出てきます。谷を吹く風、鳥の声、そして朝に夕に咲く夏の花々。「木曽節」の歌詞に"夏でも寒い"とありますが、そんな木曽の夏は今何処...といいたくなる猛暑です。夏とは暑いもの。よって四季が引き立つわけですが、その暑さも超えると自然への影響が心配になります。四季がなければ藤村の詩も生まれなかったわけですから、せめて「夏草」が生き生きとする程度の暑さでおさまってほしいものですね。

 

さて。本日八月二十二日は島崎藤村の亡くなった「藤村忌」にあたります。馬籠では法要がいとなまれますが、日差しも強く暑い日ですので、出席される方はお体にお気を付け下さい。



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