脇本陣奥谷 案内人のブログ

思い出の味

2013年6月2日 日曜日

思い出の味

本日、妻籠宿では恒例のマラソン大会が開催され、沢山のランナーの方たちが観光客の皆さんの声援を受けながら駆け抜けていきました。私も小学生の時に友達と参加しましたが、一生懸命に走った後に食べたアイスクリームの味を、今でも覚えています。思い出というのは、特に味覚と結びついている事が多いかもしれません(私が食いしん坊だからかもしれませんが...)

 

さて、アップされた写真を見て「これは何だろう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。「あぁ、もうそんな季節か」と思った方は木曽通ですね。これは『ほう葉巻き』と言います。朴の木の葉で餡子を入れた米粉の団子を包み、蒸して作る季節のお菓子です。葉っぱを広げると清々しい香りがし、もっちりした団子としっとりした餡子がとてもおいしいです。それぞれの家庭で皮の厚さや固さ、餡子の煮具合などが違うので、昔は自分の家で作ったほう葉巻きをお互いにおすそ分けして食べ比べをしたそうですよ。今でもこの季節になると知り合いからほう葉巻きが届けられるのですが、「あぁ、初夏の木曽の味だなぁ」としみじみ思います。

 

木曽ではこの季節、同じようにほう葉で酢飯を包んだ『ほう葉寿司』も作られます。藤村は熱々の塩結びのおにぎりをほう葉で包んだものが好物だったそうですが、ほう葉の香りとこの季節の新緑は切っても切れないものがあります。よってこの時期には木曽全体で「ほう葉祭り」が行われますので、木曽にいらっしゃる機会があれば、是非ご賞味ください。



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